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専門知識やキャリアを生かしながら、学修相談やイベントの企画・立案に取り組んでいます。チューターは教員と職員の中間で学生を支援します。チューターからは「授業以外の時間に学修する学生も多く、支援が必要」「教職員では関わりきれないところまで寄り添える」などの意見も聞かれ、学生のための学修支援のみならず、チームティーチングにも不可欠な存在となっていることがうかがえます。 DACが始動した2020年はCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)への懸念から、学生がキャンパスに集うことができない時期も続きました。大学では授業をオンラインに切り替えて実施することになり、チューターもこれに対応。対面での相談や参加型のイベントをすべてオンラインに切り替えながら、着実に学生との関わりを継続しました。学生との関わりを示す数字の一つが、4万2000通ものフィードバック。これは授業後に学生が提出するコメントに対してチューターが返信するもので、その総数となります。学生は授業の感想や気づき、質問などを自由に書いて提出しますが、「授業がスタートして数ヶ月間は感想にとどまったコメントが多かったが、次第に文字数も増え、自分自身の理解度を認識している印象を受けた」と関わるチューターも手応えを感じるほど学生の成長が見られました。 一方で授業のオンライン化によって「授業に出席しない」「課題を提出しない」学生も少なくなく、課題となりました。これに対してチューターは、オンラインツールを駆使しながら、きめ細かなコミュニケーションを取るよう意識し、関わりを継続。これが学生の意欲低下を防ぐことに役立ち、授業出席率、課題提出率とも大幅に改善することができました。 また、学修相談では実情に応じて新たなアクションも展開。例えばチューターによる学生のレポート相談対応は、入学したばかりの学生から「課題のレポートをどう書いていいかわからない」との相談がいくつか寄せられたことがきっかけとなりました。「DACの理念や方針をベースにしながらも、状況に応じて支援の仕方を変化させていく姿勢が大切」との声もチューターから聞かれました。 チューター制は2021年度から全学の学生へ対象が拡大します。これを担うチューターは現在までのブラッシュアップはもとより、年次ごとに共通した悩みや課題に目を向けること、いわゆるアフターコロナの時代が到来しての対応なども求められます。どこまでも学生一人ひとりのために。幅広い姿勢と柔軟な思考をもって、異次元ともいえる学修支援を今後も展開していきます。コロナ禍でも4万2000通を学生へフィードバック学生一人ひとりのために。チューターのさらなる挑戦は続く大正大学の建学の理念、教育ビジョン及び運営ビジョンを具現化するために2020年から作られた、大正大学独自の組織。Diversity Agency Community(学内外を問わず多様な人々が共に学ぶ共同体)の頭文字を取っています。 ●第Ⅰ類科目(教養教育科目)カリキュラムの企画及び運営 ●チューターの養成及び運用 ●ラーニングコモンズの活用推進 ●アントレプレナーシップ教育の企画及び運営などを行い、学生の多様な学びと自立的な成長をサポートしています。総合学修支援機構DACとはチュートリアル教育専門的なトレーニングをつんだチューターが、学生の自主的な学びを支援・促進。授業では教員とタッグを組んで、チーム・ティーチングを行います。また、ラーニングコモンズやオンライン上でのやりとりを通して、学生たちの時間外学修もサポートします。地域実習やフィールドワークでは実習チューターが、インターンシップでは現役の職業人が実践的な学びを支えます。FEATURE PAGE16DAC

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